
この挿絵には対応する部分がない。煉獄の螺旋階段を描いているところから、煉獄の構成について説明しているものとも思われ、その意味では、煉獄について説明している第十八曲に対応するといえなくもないが、ここでは煉獄を締めくくる最後の場所に置くこととする。
長い旅を経て煉獄の頂上に上ってきたダンテは、そこで身も心も浄められて、いよいよ天国へ上ることとなるわけである。
讀者よ、我に餘白の滿すべきあらば、飮めども飽かざる水の甘さをいさゝかなりともうたはんものを
第二の歌に充てし紙はやみなこゝに盡きたるがゆゑに、技巧の手綱にとゞめられて我またさきにゆきがたし
さていと聖なる浪より歸れば、我はあたかも若葉のいでて新たになれる若木のごとく、すべてあらたまり
清くして、諸々の星にいたるにふさはしかりき(煉獄編第三十三曲から最後の数行、山川丙三郎訳)
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