我輩はカモである:安倍晋三のお人よし外交

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プーチンがロシアから鳴り物入りでやってきて、安倍晋三総理の地元長州で会談した。これを日本のメディアはこぞって、「率直に議論」したと紹介しているが、何を「率直に議論」したか、その中身は伝わってこない。要するに、国民にわざわざ伝えるほどのことが無かったのだろう、そう思うのは筆者のみではあるまい。

ひとつだけ確かなのは、日本であれほど事前に期待が高まっていた北方領土問題の解決への動きが、全く進展しなかったということだ。もしも解決に向けての糸口でもつかめたら、安倍総理はそれこそ声を大にして国民に訴えるだろう。「どうです、これはぼくちゃんの外交的勝利なのです」という具合に。

ロシアの方は、今回の会談を契機にして、北方領土問題は棚上げにしたままで、日本側から巨額の経済協力を引き出したと受け取っているようだ。何のことはない、安倍晋三はプーチンにうまい具合にあしらわれたわけだ。欧米諸国が一致してプーチンに対して制裁措置を取っている中で、安倍晋三はここまで踏み込んだことになる。

安倍晋三のお人よしぶりは、トランプへの表敬訪問にも表れている。そこで話されたことが一切明らかにされていないので、何が話されたかは、憶測の域を出ないが、その後の安倍晋三の言動から、一端を推測することができる。例えばカジノ問題だ。安倍晋三は、トランプとの会談をした後に、誰もが首をかしげるようなタイミングで、カジノ解禁の号令をかけた。これは、トランプを意識しての行動ではないか、そう勘繰られてもしかたのないところがある。トランプ自身カジノ王として知られており、日本のカジノ利権に重大な関心を持っていても不思議ではない。だから安倍晋三は、トランプの意向を忖度して、日本のカジノを解禁したのではないか。

カジノを日本人が運営するのなら、そんなに目くじらをたてるべきではないかもしれぬ。だがどうやら、安倍晋三やその仲間の政治家たちは、日本のカジノ利権をアメリカにしゃぶらせるつもりのようだ。それは、日本の博打をアメリカのバクチ打ちに仕切らせることで、ある種の売国行為といってよい。

プーチンへの大判振舞と言い、アメリカのバクチ打ちへの利権供与と言い、もしそれが実現したら、安倍晋三はうまいカモを演じたということになる。マルクス兄弟のドタバタ喜劇映画に「我輩はカモである」というのがあるが、安倍晋三がまさにそのカモに進んでなろうというわけだ。

ともあれ安倍晋三は、外に向かってはお人よしを演じているが、内に向かってはかなりひどいことをしている。例えば、強引な国会運営とか沖縄の人への侮蔑的対応といったものだ。どちらが安倍晋三の本当の顏なのか、筆者のような本物のお人よしには到底うかがい知れぬ。






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