
山水図屏風の右隻は、左隻と連続しているわけではないが、図柄としては、同じような雰囲気のようなものを並べ、左右一体で調和を醸し出している。
右隻は、左隻以上に雲煙を強調し、主山と近景とを劇的に対比させている。全体に構図が下に傾いており、主山の周囲に広い空間があるために、はるかな感じがよく出ている。
樹木をはじめ、筆致のやわらかさは左隻と同様である。

これは近景の部分を拡大したもの。山道をうねらせ、そこに人を描き加えながら、視線を奥へ誘導することで、奥行き感を演出している。(紙本墨画 161.5×352.3cm ワシントン フリア美術館)
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