巨大ハリケーンは神の罰か

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アメリカにとって今年は巨大ハリケーンの当たり年だ。すでにハーヴィーがテクサスに甚大な被害を及ぼし、イルマがフロリダを直撃した。フロリダには、ドナルド・トランプをはじめ、地球温暖化を拒絶する大物たちの別荘が集まっている。そこで彼らは、自分の別荘に影響を及ぼしているハリケーンが、地球温暖化の影響によるものだとの言説が広がることに憂慮を示している。ハリケーンが、地球温暖化の影響だとしたら、日ごろの自分たちの主張にとって、非常に都合が悪いからだ。

そこで彼らは、ハリケーンの原因を他に求める。その一つが、神の罰というものだ。地球温暖化の拒絶論者を代表して、テレビ解説者のアン・コールターは、ハーヴィーは、レズビアンだった前ヒューストン市長に下された神の罰だと言い、おなじく有名なテレビ解説者のラッシュ・リンボーは、ハリケーンを地球温暖化と結びつけるのは、リベラルな連中の陰謀だと主張している。

大統領のトランプは、さすがにレズビアンやリベラルの連中のせいにはしていないようだが、彼もまた、地球温暖化説はでっち上げだと言い続けてきた。だから、今度の教訓を踏まえて、今後地球温暖化対策をしようという発想はないらしい。

環境保護局長官のスコット・プルーイットも、いまはハリケーンの原因を云々している場合ではないとして、地球温暖化の議論が盛り上がることをけん制している。彼が、採炭や鉄鋼など、温暖化ガス排出企業の利害を代表していることは、いまでは公然のことだが、その男にしても、地球温暖化の影響を全否定することができず、せいぜい議論を封鎖しようとしているわけだ。

とにかく、今のアメリカは、進化論を否定し、科学の進歩を信ぜず、地球温暖化を拒絶するような人間たちが、国の舵をとっている。おそろしいことだ。





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