右翼過激派とサイバー・ゴロ

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トランプ政権の登場に促されて、アメリカでは極右白人至上主義が台頭した。これをアメリカのメディアは最近「Extremist(過激派)」と呼んでいる。過激派とは普通、イスラム原理主義運動とか、一部左翼の実力行使派をさしていう言葉だが、アメリカの白人至上主義者も、人種的に過激な言動を繰り返し、そのさまがいかにも人種原理主義を思わせることから、「「Extremist(過激派)」と呼ばれるようになったらしい。

日本でも、安倍政権の登場に促されて、ナショナリスティックな言動が活発になった経緯がある。これをアメリカの一部メディアは、やはり「Extremist(過激派)」と呼んでいるようだ。日本の極右の場合、アメリカのような極端な人種差別の主張はしないが、日本至上主義を唱え、その観点から過去の日本の歴史を塗り替えようとする点では、アメリカの「Extremist(過激派)」と異ならないということらしい。

日本の場合には、アメリカに先駆けてこういう現象が起きたので、今日世界的に広がりつつある極右運動の、一つの有力なモデルと位置付ける者もいるようだ。日米で共通しているのは、権力が極右運動の牽引車になっていることで、そこに不気味さを指摘するものもいる。

ところで、日米とも自分を権力と一体視した人々が、ネットを中心にして、いわゆるリベラルな人々に集中攻撃を浴びせる現象がおこっている。こういう人々を日本では「ネット右翼」と呼んでいるが、アメリカでは「Cyber Thug(サイバー・ゴロ)」と呼んでいるらしい。ネット・右翼だと、右翼の一変種としてあまり情緒的に極端な印象は受けないが、「Cyber Thug(サイバー・ゴロ)」というと、いかにもゴロツキという印象が伝わってきて、インパクトが大きい。

先日はこの「Cyber Thug(サイバー・ゴロ)」という言葉を、日本のネット右翼について使っているのを、ジャパンタイムズの記事の中で見出した。その記事は、標的に対して死の脅迫をしていることを以て、ネット右翼を「Cyber Thug(サイバー・ゴロ)」認定したのだと思うが、けだし、鋭い批判意識にたった指摘だと思う。

(参考)Abe's extremism undermines Japan's interests





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