
快慶初期の傑作のひとつに、浄土寺の阿弥陀三尊像がある。本尊の阿弥陀像が像高530cm、両脇時が370cmと、非常に規模の大きな仏像である。「浄土寺縁起」によると、建久八年(1197)に丹波法眼懐慶によって作られたとあるが、この懐慶とは快慶をさす。「丹波法眼」とした理由はよくわからない。
宋画を手本にしたとされるが、その造形の特色は快慶独自のものといえる。三尊とも、頭部、体部を通じて四材を矧木している。
写真は本尊阿弥陀如来の上半身部分。三宝院弥勒菩薩像以上に、優雅でおだやかな印象を受ける。またふっくらとした面相は、両者に共通するものであり、初期の時代の快慶の特徴を現している。
(木像漆塗 像高530.0cm 兵庫県浄土寺浄土堂)
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