興福寺梵天像:定慶

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興福寺の東金堂にあった梵天・帝釈天像のうち、帝釈天像は建仁元年(1201)に定慶によって作られ(現在は根津美術館蔵)、梵天像は翌建仁二年(1202)に作られた。梵天像の背面の墨書に、大仏師定慶、小仏師盛賀及び定賀によって作られたとの記録がある。

慶派としての写実的な作風を基本にしながら、定慶なりの特徴が伺える作品。その特徴とは、全体としてやわらかく穏やかな印象と、肉感のふっくらとした仕上がりだ。そのふっくらとしたところは、衣装の表現にもよく現われており、袖の部分など、布の質感を感じさせる。

檜材の寄木つくりで、玉眼。頭部、体幹部とも前後の矧木。表面には朱と緑で彩色してある。

(木造寄木作り彩色 像高181.3cm 奈良興福寺)






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