白象図:宗達の養源院杉戸絵

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養源院本堂廊下の東端に、西端の唐獅子図に向き合う形で、「白象図」の杉戸絵がある。「唐獅子図」同様二枚一組で、向かって左側には、牙をむきだして身構え、今にも敵に襲い掛かろうとしている象が、右側には、その象を見下ろしている仲間らしい象の姿が描かれている。

白象は、唐獅子同様、仏教を守護する聖なる生き物として捉えられていた。もっとも、唐獅子ほどは、寺院の守護神としてポピュラーなわけではなかった。だから単独で飾られるよりも、この養源院の場合のように、唐獅子とセットで飾られることが多かったようだ。

宗達のこの白象図は、二体セットになっているが、それは唐獅子の二体セットに対応させたのだろう。二体それぞれの表情といい、体の動きの方向といい、リズムを感じさせる。

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これは、向かって左側の白象を拡大したもの。身をかがめて、いまにも躍り上がろうとする息吹が感じられる。宗達のこの白象図は、後に伊藤若冲などに影響を及ぼしたと考えられる。

(杉戸着色 各181.0×125.0cm 京都養源院 重文)






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