バルト諸国を対ロ攻撃の拠点に

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安倍総理がバルト諸国と東欧の計六カ国を訪問して長期的な関係強化を訴えた。これは、とりあえずは中国包囲網つくりの一環としての意味を持たされているようだが、長い目で見れば対ロ攻撃の拠点つくりに結びつけられる可能性もある。

これらの国々は中国が推進している一帯一路政策にとって重大な意味を持っている。一帯一路政策は、陸海のシルクロードを通じて中国とヨーロッパとを直接結びつけようと意図しているが、バルト及び東欧諸国は陸のシルクロードにあってヨーロッパの入口に当たる。したがって中国にとっては死活的な重要性を持つわけで、中国は目下これらの国々との関係強化に努めている。そこに日本としてくさびを打ち込み、中国の思惑に一泡ふかせてやろうというのが今回の安倍訪問の最大の目的だったようだ。

しかしこれらの国々は日本にとって対ロ攻撃の拠点としての意味も持ちうる。日ロの軍事的なバランスは目下ロシア側が圧倒的に有利だ。日ロ間にいったん戦端が開かれれば、ロシア側は極東及び北方領土の占領地から容易に東京へ向けて中距離拡弾道ミサイルを撃ち込むことができる。これに対して日本側がモスクワを撃つには、シベリアの長大な距離を超えてICBMを飛ばさなければならない。もしバルトや東欧諸国に日本の軍事拠点を設けることができれば、日ロ間の軍事バランスは一気に日本に有利になる。

日本の本当の敵がロシアであることは明らかだ。それはいまだに北方領土を軍事占領されたままであることからわかる。ロシアと和解をして北方領土を平和的に返還してもらうなどと安倍総理は言っているが、それは幻想にすぎない。北方領土の返還問題があるなしにかかわらず、アメリカに隷属している状態では、いずれロシアと戦端を開くことになるのはかなり蓋然性が高い。その時に備えて、日本としてロシアに有効な攻撃を加えるためには、バルト及び東欧諸国に軍事拠点を作っておくことが重要だ。日本にとって幸いなことに、バルト諸国の反ロシア感情は半端ではない。それを利用してこれらの国々を日本との軍事同盟に引きずり込むのは決して絵空事ではない。

安倍総理がそこまで考えて今回これらの国々を訪問したのかどうか明らかではない。そこまで考えていなかったのかもしれない。もしそうなら誰か安倍総理に影響力を持った者がそのことを忠言してやった方がよい。





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