多田満仲(大日本名将鑑):月岡芳年の歴史画

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大日本名将鑑は明治十年から十五年にかけて刊行されたシリーズで、日本史上の偉人や賢人をテーマにしている。当時は明治維新にともなって日本の歴史への関心が高まっており、政府も国民に対する歴史教育に力を入れていた。このシリーズはそうした動きに乗ったもので、庶民の人気を博した。

全部で51図からなる。天照大神や日本武尊など神話上の人物から、徳川家康などの比較的近い時代の人物にいたるまで、広くカバーしている。

これは多田満仲を描いたもの。多田満仲は本姓を源満仲といい、安和の変で活躍した武将。住吉明神の神託にもとづいて、大蛇を射止めた話は有名だ。また謡曲「満仲」は、満仲とその子美女丸との確執をテーマにしている。

これは、満仲が大蛇を射止める様子を描いたもの。馬上から放った矢が大蛇に命中している。

(明治十三年<1880> 大判錦絵)






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