ファニー・レディ(Funny Lady)

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「ファニー・レディ(Funny Lady)」は、ウィリアム・ワイラーの1968年の映画「ファニー・ガール」の続編である。「ファニー・ガール」は1920年代にブロードウェーで活躍した喜劇女優ファニー・ブライスの半生を描いたものだったが、この「ファニー・レディ」は、その後日談という形をとっている。前作に引き続きバーブラ・ストライザンドがファニーを演じているが、監督は別人が務めた。バーブラは俳優としてだけではなく、プロデュースにも深く関わっている。

前作ではファニーとニックとの愛を中心にしていたが、この作品では、ニックと別れたファニーが、一人の図々しい青年と出会い、彼と意気投合しながら新しい境地を切り開いていくところが描かれる。この映画でも、ファニーはコミカルな役柄を演ずるが、喜劇俳優ではなく歌手としての面が強調されている。その歌手としてのファニーが、ジェームズ・カーン演じるビリー・ローズと組んで、歌のレコーディングや舞台興業を成功させていく過程を描く。

しかし、ビリーは遙かに年下だし、ファニーはニックへの思いを振り切れない。そんなわけで二人の間柄はなかなかしっくりいかない。一応結婚をするのだが、私生活はすれ違いがちで、そのうちビリーは若い女とできてしまう。

そこで二人は別れることになるのだが、互いに年を取った後になって、再びよりを戻す、というのが大方のあらすじである。

ミュージカル仕立てになっていて、ファニーの歌声に乗って物語が進んでいく。時折ファニーにおどけた仕草をさせるところは、彼女が喜劇役者であったことを踏まえているのだろう。しかし、この映画では、ファニーは喜劇役者ではなく、歌手として描かれているので、彼女のおどけぶりはファンサービスのように伝わってくる。

ファニーがビリーに向かって、「あんたが子どもの頃に私は大スターだったのよ」という場面が出てくる。その割にファニーとビリーとは年の差を感じさせない。






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