相模次郎平将門(芳年武者無類):月岡芳年の武者絵

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相模次郎は将門の名相馬小次郎をもじったもの。その将門の勇猛な戦いぶりを描いたのがこの図柄だ。将門は戦のたびに無類の活躍をしたが、天慶三年の最後の合戦でも、その勇猛ぶりは衰えなかった。この戦いは、将門側が圧倒的に不利だったのだが、将門は先頭になって相手をなぎ倒し、味方の士気を高めた。

この時の将門の戦いぶりは、敵の七十余騎を倒すというものだった。自分の剣が折れると、相手の総角を奪い、それを振り回して一度に複数の敵を微塵にしたと伝えられている。しかし多勢に無勢で、将門軍は次第に追い詰められ、将門自身も平貞盛の放った矢に打ち抜かれ、そこを藤原秀郷に首をはねられた。

これはその将門の戦いぶりを描いたもの。将門は馬を駆って敵に襲いかかり、蹴散らしている。蹴散らされた敵の姿は、まともな形態を保持していない。ひとりは空中に舞い上がっているし、ひとりは尻をこちら側に見せて転げている。

(明治十六年<1883> 大判錦絵)






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