紅白梅図屏風:尾形光琳

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尾形光琳には「紅白梅図屏風」がもう一点あって、こちらは出光美術館が所蔵している。六隻一層の図屏風で、右隻には三本の梅が、左隻には一本の白梅の枝先が描かれている。どちらも金地を背景にしている。MOA美術館のものと比べると、構図的にはシンプルである。どちらが早く描かれたかははっきりしないが、こちらの方が早いと思われる。

右隻の三本の梅の木のうち、一本は紅梅、一本は白梅である。勢いとしては紅梅のほうが花の数が多い。白梅は申し訳程度に描かれているばかりである。左右両隻を対比させると、図柄は右隻のほうが賑やかで、左隻はほとんど金地が占めている。そのことで、左右に静と動の対比を演出しようとしたのかもしれない。

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これは右隻を拡大したもの。梅は画面の握手に偏ってあっさりと描かれ、大部分は金地のまま残されている。

(紙本金地着色 六曲一双 出光美術館)






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