
「トルガの聖母」はヤロスラーブリを守護するイコンとして信仰を集めてきた。このイコンは、ヤロスラーブリ近郊のトルガ河畔で、プロホル主教の前に姿を現し、以後ヤロスラーブリを守護してきた。主教はこのイコンのためにトルグスキー修道院を建て、長らくそこに安置してきた。いまではトレチャコフ美術館に移されている。
聖母がキリストを抱きかかえ、頬ずりしている図柄は、エレウサ型聖母像と言われている。このイコンの母子は身体を密着させ、ほほえましい一体感を印象付けている。
このイコンは13世紀に作られたが、この世紀のものは20点ほどしか残っておらず、その点で非常に貴重なものである。
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