
「カザンの聖母」は非常に有名なイコンで、ロシア史の様々な舞台の立役者となったとされる。すなわち、1612年の対ポーランド戦争、1709年の対スウェーデン戦争、1812年の対ナポレオン戦争で、それぞれ奇跡を起こし、ロシアを勝利に導いたとされる。
1579年にカザンで発見されたと言われる。制作されたといわないで発見されたというのは、イコンは人の手で作られたものではないという伝統的な教義があるからである。
このイコンのオリジナルについては、現在定説がない。1917年のロシア革命後に行方不明になったままだとか、その後発見されてポルトガルのファティマに保存され、その後ヴァティカンに寄贈されて、さらにカザンの聖母大聖堂に移されたものがオリジナルではないかとの憶測もあるが、確かではない。上のイコンは、17世紀に作られた複製である。
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