梅に山鳥図:狩野山雪

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狩野山雪は狩野山楽に弟子入りし、後にその娘婿となった。山楽の画風を継承しつつ、一層装飾的な華やかさを追求した。学問にも明るく、儒教的教養に富んでいたといわれ、その絵には観念的な傾向もみられる。

山雪の代表作は、寛永八年から翌年にかけて、四十代始めに、妙心寺塔頭天球院のために作成した障屏画である。山楽との共同作業であるが、山雪畢生の傑作といわれる。

これはそのうちの一部をなす「梅に山鳥図」。梅の間と呼ばれる部屋を飾る十八面の図柄の一部で、花を開いた梅の古木に、雉と思われる鳥を配している。金一色の背景から浮かび上がった図柄は、装飾的な華やかさを感じさせる。

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これは山鳥の部分を拡大したもの。山鳥の周囲には色鮮やかな花が咲き開いているが、山鳥の存在感は、それらの色に負けない。(紙本金地着色 189.5×93.9㎝ 重文)






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