世界中で激化するユダヤ人攻撃

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ユダヤ人に対する攻撃が世界中で激化している傾向について、イスラエルの研究者たちが憂慮を表明しているそうだ。テル・アヴィヴ大学の研究者たちによれば、昨年一年間で、世界中のユダヤ人を標的にした攻撃は400件にのぼり、前年より13パーセント増加した。そのうちの四分の一はアメリカでおきたもので、その中には昨年ピッツバーグのシナゴーグで11人の死者を出したテロも含まれている。こうしたユダヤ人攻撃は今年に入っても続き、先日はカリフォルニアのサンディエゴのシナゴーグが襲撃される事件が起こったばかりだ。

ユダヤ人攻撃がもっとも増加しているのは西ヨーロッパ諸国で、たとえばドイツの場合、前年より70パーセントも増加したという。その背後にある反ユダヤ感情の高まりには色々な要因が指摘されるが、ユダヤ人攻撃を合理化する理由としていまだに「ユダヤ人による陰謀説」がまことしやかにささやかれているのだという。その説によれば、ユダヤ人は独自の帝国主義を掲げて世界支配をもくろんでいるということらしい。

こうした風潮に対しては、トランプも懸念を表明している。トランプは特別声明を発表し、そのなかで昨年のピッツバーグのテロと、今年のサンディエゴのテロに言及して、反ユダヤ主義という根拠のない主張を断固として非難している。それについては、トランプの矛盾した姿勢のあらわれだと批判するものもいる。たとえばミネソタ州の議員イハン・オマルは、トランプの人種差別的な言動が、反イスラム感情とともに反ユダヤ勘定を煽っていると批判している。

たしかにトランプの言い方は片手落ちだ。一方ではメキシコからの移民を相手に露骨な人種差別的言動をしておりながら、ユダヤ人については差別するなと呼びかけることに、どれほどの説得力があるだろうか。人種差別の雰囲気をトランプ自ら煽り立てているというのが、実際のところではないのか。





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