三十三間堂図屏風

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京都蓮華王院三十三間堂を横一列に配しためずらしい構図の図柄である。描かれた年代は、方広寺南大門があるところから、慶長五年(1600)以降と思われる。色調や人物描写の特徴から見て、土佐派の作品であろう。土佐光信のものとする見方もある。

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これは三十三間堂左端の部分を拡大したもの。通し矢の光景を描いている。外縁に敷かれた毛氈の上に諸肌を脱いだ武士が立ち、振り絞った弓を解き放とうとしている場面である。縁側の前には大勢の人々があつまり、通し矢の光景を見物している。

三十三間堂で通し矢が行われたのは天正年間からのことで、慶長年間には絶頂に達した。もっとも有名なのは、慶長十一年(1606)朝岡平兵衛の通し矢で、百本中五十一本を通した。それ以降、通した矢の数を競うようになった。

(紙本着色 六曲一隻 大阪逸翁美術館 重文)






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