台風と計画運休

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台風15号が関東地方を直撃し、各地に大きな被害を出した。この台風は、関東を襲ったものとしては、十数年ぶりの巨大台風で、被害の発生が事前に想定されたので、JRはじめ鉄道各社が、計画運休を実施した。関東での計画運休は、昨年も台風24号に際して行われたが、それは当日の正午前後に、その日の夜の終電を早めに前倒しするというものだった。今回は、前日のうちに、始発を午前八時以降に先延ばしすると発表した。

この発表を聞いて、通勤客たちは翌日の行動にある程度計画的に備える余裕ができたわけで、その点では評価できる。だが昨年とは異なり、混乱が大きく回避されたとはいえないようだ。むしろ混乱が拡大したところもあったようだ。理由は二つある。一つは、予告されていた時刻(JRの場合は午前八時)をめどに、多くの人々が駅に集まったこと。もう一つは、運転開始の報を聞いた人々が、一斉に駅に集中したことだ。

前のケースでは、始発が遅れたことで、結果的に待ちぼうけを食わされて、長い時間混乱状態のなかで待機を強いられた人が大勢発生した。後のケースでは、一時に客が集中したために、入場規制などをかけざるをえなくなった。

小生の場合には、さいわい通勤する義務もないので、家でのんびりしていたが、家人は通勤義務があるので、そういうわけにもいかず、運転開始の報を聞いてすぐ出かけたのだが、帰宅後状況を聞くと、人々が駅に殺到して、すさまじい混乱に巻き込まれたということだった。

このことから教訓を引き出そうとすれば、次のようになろうか。台風が大きな被害をもたらすと事前に想定される場合には、計画運休はすべきだ。しかしそれを有効に運用するためには、もっときめ細かな情報発出が必要だろう。今回は、始発時間の予告が、適切にフォローされなかったために、人々はてっきり予告通り動くのだと勘違いして、その時刻にあわせて駅に殺到した。これなどは、始発が遅れる旨を、きめ細かにアナウンスすれば、避けられたことだ。

また、運転再開の直後に、待ちかねた人々が駅に殺到するのは、ある意味避けられないことだ。これを適切にコントロールするためには、企業側の協力が必要になるだろう。要するに、巨大台風のような自然災害に際しては、無理に働かせることをやめることだ。

それにしても、今回の台風は小生の家の上空(千葉県船橋市)あたりを過ぎていったということだ。その割に被害を受けなかったのは、不幸中の幸いであった。





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