イラン軍の実力:高い精度のミサイル攻撃

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世界中を震撼させたウクライナ航空機の爆破は、イラン軍によるものだと明らかになった。アメリカのロケット攻撃と勘違いしたイラン軍が、ミサイルで迎撃したということらしい。それ自体に問題があるが、もっと問題なのは、この事態がイラン軍の実力を物語っているということだ。イラン軍は、イラクの米軍基地にもミサイルを命中させたが、軍事専門家によれば、命中の精度はかなりかなり高かったという。この二つを通じて、イラン軍の実力が、思っていた以上に高いということをアメリカは知らされたに違いない。

アメリカ以上に驚いたのはイスラエルだろう。いままでイスラエルは、敵側からのミサイル攻撃を、なんなくしのいできた。かなり前からミサイルを捉え、無力化することに成功してきたのだ。だがイランのミサイル技術が高度化すれば、今後はイランによるミサイル攻撃を、簡単にはしのげない可能性が強くなる。イスラエルにとっては、国防上の脅威が増大するわけだ。

イスラエルは、アメリカがイランを無力化することを望んできた。できれば今回の対立が全面的な戦争に発展して、アメリカがイランを徹底的に無力化することを期待していたはずだ。だが、トランプには、そういう意思はないらしい。今回も比較的あっさりと軍事衝突に進むのをやめたし、今後も全面戦争をするつもりはないらしい。

イスラエルにとって脅威なのは、軍事的に強くなったイランが、イラクからシリアを経てヨルダン、レバノンに及ぶ、いわゆるシーア派三日月地帯を制覇することだ。それが成功すれば、イランはやすやすとイスラエルに接近し、至近距離から攻撃を仕掛けてくることができるようになる。イスラエルにとっては悪夢だ。

もっと悪夢なのは、トランプが中東への介入をあまり強く意欲していないことだ。もしかしたら、ほぼ全面的に手を引いてしまうかもしれない。そうなったら、イスラエルは敵意に満ちた国々のなかに、孤立した状態で取り残されることにもなりかねない。それはイスラエルにとって、何よりも大きな脅威だ。





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