断腸の思いで放置した:安倍総理と拉致被害者

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北朝鮮による拉致被害者のシンボル的な存在であった横田滋氏が老衰のために亡くなった。生きている間に最愛の娘と再会することができずに、さぞ無念だっただろうと思う。これについて、残された被害者家族を代表する形で、飯塚繁雄氏がインタビューに応じていたが、その言葉の端々から、これまでなにもせずに放置してきた政府への怒りが伝わってきた。たとえば、「何もしないでほったらかしにしたら、日にちがどんどんたっていく」といった言葉だ。

横田氏の死について安倍総理が早速談話を発表し、「断腸の思い」とか「痛恨」という言葉を使った。だがその表情から、本当に反省する様子が伝わってこないと感じたのは、小生のみではあるまい。日頃やっているふりが目立つ安倍総理が、この問題でもやっているふりをしているだけではないのか。じっさいのところ、安倍政権がこの問題に真剣に取り組んでいる様子は、いっさい感じられないのだ。また事実としてそのとおりだと指摘せざるをえない。

安倍総理は官房副長官の時に、小泉元総理の朝鮮訪問に随行しており、拉致被害者問題については、長い間関わってきたはずだ。ところがその間のかれの言動からは、これを真剣に解決しようという姿勢が全く伝わってこない。この問題を解決するためには、当然ねばりつよい交渉が必要だ。交渉は相手のあることだから、相手の都合を考えながら、取引しなければ進まない。しかし安倍総理には、北朝鮮と通常の意味での取引をするつもりはないようだ。一方的にこちらの都合を振りかざし、北朝鮮への圧力まで強調するのは、まじめに交渉しようとする者の態度ではない。最近は、交渉そのものへの意欲さえ感じさせず、たとえばアメリカのトランプに事態解決への手がかりを期待するなど、まったく他人事のように扱っている。

そんな安倍総理に対して、拉致被害者の関係者は遠慮して、亡くなった横田氏をはじめ、批判めいたことはほとんど言わなかったが、それをよいことに、安倍総理はこの問題を引き続き放置してきたと言わざるを得ない。拉致被害の関係者は、もっと政府を批判してよい。政府には国民を守る義務があるのだから、その義務を果たすように迫ってよいはずなのだ。





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安倍総理はこの問題に対して策はあっても無為に終わってしまっている。チャンスは何度もあったように思います。一つは、北朝鮮の漁船が漂着した時、彼らを日本に留め、拉致被害者との交換をもちかけるとか、あるいは朝銀が破綻した時、朝鮮総連を残さず、北朝鮮への資金を遮断する強行な姿勢をみせ、譲歩を迫る手段を取るべきではなかったか、朝鮮総連の不法行為を徹底的に取り締まることにより、解決の糸口をつかむしか道がないようだ。日本製品が、どんなルートで平壌の陳列棚に並ぶのだろうか。北朝鮮のスパイ、そして日本人の協力者達と中国人がグルになって非合法な活動をしているのではないだろうか。今こそ、世論をバックにして、朝鮮総連を取締り、彼らから譲歩を引き出す手段を講じてはいかがであろうか。日本人の拉致被害者を救うのが大事か、北朝鮮の活動家等に手を出すことを恐れて、事なかれ主義でいくのか選択が迫られているように思うのだが・・・

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