ミネアポリス警察が解体される!

| コメント(1)
いまアメリカは全国的なデモ騒ぎに見舞われているが、その騒ぎの発端になったのが、ミネアポリス警察の白人警察官による黒人殺害事件だった。折からコロナ騒ぎで人々の政治意識が過剰になっていたことも作用したのだろう、人種差別反対を訴えるデモが、またたくまに全米に広がった。これに対してトランプが弾圧姿勢を示すなど、挑発的な態度に出たことで、デモの勢いは当分おさまりそうもない。

こうした中で、渦中にあるミネアポリスの当局者が市警を解体すると言い出した。これには小生も驚いたが、アメリカでは、警察の解体も荒唐無稽な話ではないらしい。日本では、考えられないことだが、アメリカの警察というものは、自治体単位でできていて、基本的には、自治体当局の判断でどうにでもなるらしい。解体もありうるということらしい。

それを理解するには、アメリカにおける警察の歴史を振り返る必要があろう。アメリカの警察というのは、西部劇によく出て来る保安官から出発したもので、要するに町の治安維持を役目としていた。その管轄地域はあくまでも町の領域であり、仕事の中身は町の有力者の意向を踏まえたものだった。治安維持が主な役割だから、犯罪捜査などにはあまり熱心ではなかったらしい。犯罪捜査よりも、自分たちの利益擁護に熱心だったことは、アメリカの警察が待遇改善を求めて度々ストを行うことからわかる。そんな警察を一般市民はあまり信頼していないという歴史的事情を指摘できるようだ。ヒッチコックの「知りすぎた男」やワイラーの「必死の逃亡者」といった映画を見ると、犯罪に巻き込まれた家族は、警察に頼ろうとせずに、自分たちで問題を解決しようとする。そういう態度のなかに、アメリカの市民の警察への不信を見ることができる。

日本では、警察は国家権力によって創始された。それは古代から変わらない。明治維新政府が政治権力を握ると、早速警察制度を整え、薩長の出身者、特に薩摩人が組織のかじ取りを担ったが、かれらの関心は、国民の安全の維持というより、国家権力の都合に左右された。治安維持という点では、労働争議に警察が介入するなど、権力層に奉仕するという性格を強くもっていた。

アメリカの場合、大規模な争議が起きた場合、鎮圧にあたるのは州兵の役割である。州兵というものは、州内の大規模な労働争議を鎮圧するために作られたといってもよい、「ノーマ・レイ」という映画では、組合運動に目覚めた女性主人公が、当面の敵としての州兵を意識する場面が出て来るが、アメリカでは、州兵は労働組合の敵という位置づけのようである。日本の公安警察が担っている部分を、アメリカでは州兵が担っているわけだ。

今回のデモ騒ぎの中で、トランプが連邦軍の発動をにおわせて、デモを強く牽制した。そもそも連邦軍は対外的な戦争のために作られたもので、国民を相手に戦力を行使するようにはできていない。その点は、かつての日本軍が国民生活に深く介入したのとは、大きく事情が異なる。アメリカの連邦軍が、トランプの命令に応じて国民に発砲することはほとんど考えられない。そこをトランプはよくわかっていないようだ。かれは大統領万能の立場から、連邦軍を自分の私兵のように使えると勘違いしているのだ。

ともあれ、ミネアポリス市警解体の情報は、世界中をあっと言わせるに足る、ショッキングなものだった。





コメント(1)

白人警察官による黒人殺害事件に端を発した暴動が全国に広がった。アメリカの民主主義の根深い闇が浮き彫りにされた。この事件を選挙に利用としている民主党バイデン側の思惑が透けて見えるようだ。これを、契機にミネアポリス警察が解体されるという。どのように治安を守ろうとするのか?民主党の強い州は、警察の予算を削減すると言い出した。ANTIFAやブラック・ライブズ・マターの思う壺だ。治安が乱れ、バイデン有利のシナリオが進み始めた。しかし、中国のスパイ組織はどう動くのか、目が離せない。というのも、民主党は人権外交で共和党よりも強力なはずであるが・・・。私の思うところ、中国はトランプをたたき、民主党政権を誕生させ、その後要人たちを手懐ける、クリントンやオバマを抱き込んだようにだ。

コメントする

最近のコメント

アーカイブ