入植地の併合に焦るネタニヤフ

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領土膨張主義者として知られるイスラエル首相ネタニヤフが、ヨルダン川西岸の入植地の併合を焦っている。このプランについては、トランプの娘婿クシュナーが提案し、トランプがそれを支持した経緯がある。ネタニヤフとしては、トランプの政治的影響力を利用して、とりあえず入植地の併合だけでも先行的に実施し、イスラエルの領土膨張の野心を一歩前進させたいと思っているようである。そのトランプの再選に黄色信号がともっている現在、トランプが大統領でいる間に、既成事実を作りたいというネタニヤフの気持はわからないでもない。

ところが、EU諸国や国連が、ネタニヤフの野心に大きく意義を唱え、もし入植地を併合すれば、制裁も辞さないと言っているほか、肝心のトランプ政権も、いまひとつ及び腰になっているというので、ネタニヤフのイライラは極限に達しているようだ。

ネタニヤフの入植地併合の計画には、全くなんの正統性もない。力を背景にした領土の侵略以外のなにものでもない。イスラエルは、これは侵略ではなく、神がユダヤ人に与えたもうた土地を取り戻すだけのことだと強弁しているが、それが寝言に過ぎないことは、日本の中学生でもわかる道理だ。

国際法は、戦争によって他国の領土を併合することを禁じている。だからこそ、ロシアがクリミアを併合した時には、国際社会が一致して対ロシア制裁に踏み切ったわけだ。トランプは、そのロシアも免罪して、次のG7に招待したいと言っているが、これにはドイツはじめEUの大国が反対している。日本も反対すべきだろう。なぜなら、ロシアのクリミア侵略を許したりすれば、北方領土を返還させるための道理を日本が放棄することになるからだ。ロシアには、他国を侵略することのリスクを思い知らさねばならない。イスラエルに対しても同様である。





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