トランプをホワイトハウスから叩き出すシナリオ

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アメリカ大統領選の開票作業が大詰めを迎え、バイデンの勝利が確定したと報じられている。ところがトランプは、多くの不正が行われたと根拠のないデマをとばし、敗北を認めようとしない。徹底的に戦って勝利して見せると豪語さえしている。そこで野次馬連中の中には、トランプが一連のテクニックを弄して、逆転勝利する可能性を云々するものもいるが、じっさいには、そんな事はおこらないだろうと、一般に受け取られている。

今回の大統領選は、予想以上に僅差だった。トランプの在任中の失態振りからすれば、大差での敗北も十分予想されたが、実際には僅差に終わった。それは、トランプの岩盤支持層はいまだに健在であって、そのことはアメリカ社会の分断の深刻さを物語っていると、物知り顔に解説する者もいる。

ところで、トランプが敗北を認めずに最後まで争った場合にどうなるか。こちらについては蓋然性が高いので、ほうぼうでシミュレーションが行われている。アメリカの大統領選の歴史では、敗者が潔く敗北を認めることで、大統領が決まってきた。これまで自分の敗北を認めなかった者はいなかったのである。そういう前提のもとに、アメリカの大統領の権力移行のプロセスは組み立てられている。だから、トランプのようにそうした伝統をぶち壊そうとするものが出現すると、権力移行についての新たなプロセスを考えねばならない。

いまのところ予想されるのは、トランプは最後まで敗北を認めず、政権移行のためのプロセスにも協力せずに、そのままホワイトハウスに居残る可能性が大きいということだ。そうなった場合に、どのようなことが起こるか。そのシナリオのようなものを、Newsweekの記事が描いている(If Donald Trump refuses to leave the White Huse, Secret Service will escort him out By Tom O'Connnor and Naveed Jamali

この記事によれば、大統領の任期の終わりは、合衆国憲法修正第20条によって、選挙後の1月20日と定められており、この時期までに大統領として選ばれた者でないかぎり、自動的に大統領であることをやめる。したがって、資格もないのにホワイトハウスにしがみついていれば、排除対象となる。排除を実力行使するのは、合衆国シークレット・サービスであるというのだ。つまり、トランプが無理にホワイトハウスに居残ろうとしても、国家権力の一員であるシークレット・サービスによって、必要なら物理的手段を用いて、叩き出されてしまうというのである。

かつてバイデン側は、トランプが居残ることを予想して、そうなった場合軍が介入するのかと、下院で問いただしたことがあるが、軍はそういう政治的なことがらにはタッチしないと答えたものだ。なにも軍が乗り出すまでもない。シークレット・サービスがやってくれるというわけである。シークレット・サービスはこれまで大統領としてのトランプに仕えてきたわけだが、大統領個人に仕えているわけではなく、公人としての大統領に仕えている。トランプが公人としての資格を失えば、仕えるいわれはないわけである。

それにしても、トランプの往生際の悪さは歴史に残る滑稽劇だ。かれのそうした滑稽な姿を、じたばたしている肥えた亀のようだと言ったテレビキャスターがいたそうだが、たしかに胴体に頭をめりこませたトランプの表情は、物欲で膨れ上がった肥満漢を思わせる。





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アメリカは病んでいる。民主主義が敗れるのだろうか?現職の大統領が選挙に不正があるのではないかと司法に訴える演説の放送を途中で遮断してしまうメディヤが堂々とまかり通るとは全く不思議な国だ。自らの不正があったのではないかと告発されるのではないかと恐れるかのように。民主主義の根幹は正当な選挙で選ばれた者が政治を行うという大原則が踏みにじられている。三権分立が正しく機能するかも問われている。選挙の実態を明らかにし、バイデンの勝利に正当性があると司法が認めない限り、バイデンの大統領としての権威も権力も危ういものである。この選挙に正当性ありと司法が認めれば、トランプも従うであろう。なお、バイデンには、中国から金を受け取っているという疑惑があるのにメディヤはそのことに何故触れないのだろうか?このことで、中国から恫喝されれば、真っ当な外交ができると思えない。今回の選挙で、民主主義とか、ジャーナリズムのあり方などが問われている。時間がかかってもいいので、実態を明らかにし、議論を深め、より良い民主主義を目指してほしいものだ。そして、真の世界のリーダーとしてのアメリカになってもらいたいと願っているのだが・・・

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