ミレー「鏡の前のアントワネット・エベール」:バルビゾン派の画家たち

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ジャン・フランソア・ミレー(1814-1875)は、ノルマンディー半島の先端にある村グレヴィルに、農家の長男として生まれた。父親には絵心があったといわれ、その影響もあって、19歳のときにシェルブールに出て本格的に絵の勉強を始めた。若いころのミレーは、泣かず飛ばずだったようだ。それでも1840年には、肖像画一点がサロンに入選している。以後数年間は、肖像画家として、シェルブールを拠点に活動した。

ミレーは。1841年にポリーヌ・オノと結婚。彼女は病気がちで1844年に亡くなった。その際に、出版商のフェリックス・ファルダンから多大の援助を受けたといわれる。

「鏡の前のアントワネット・エベール」と題したこの絵は、ファルダンの援助に対する謝礼として描いたもの。モデルの少女アントワネット・エベールは、ファルダンの妻の連れ子である。

しっかりとした構図と鮮やかな色彩感覚が持ち味。この頃のミレーは、ロココ趣味にかぶれていて、「華やかな手法」と呼ばれるような作風を示していた。

(1845年 カンバスに油彩 98×78cm 八王子、村内美術館)






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