雛に寄する展覧会ポスター:竹久夢二の美人画

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竹久夢二は、自分自身の個展や自分が企画した展覧会のポスターを、無論自分でデザインした。これは、1930年の雛の節句に先がけて、自分が企画した雛人形の展覧会のために作成したポスター。それまでの、どちらかというと抒情的な作風を捨てて、前衛的な大胆さを感じさせるデザインである。

このポスターのデザインには、ドイツのバウハウス運動の影響が指摘される。バウハウスは、その名のとおり建築を中心とした美術運動だが、絵画や彫刻にも及んだ。クレーはその代表的な芸術家である。建築、未来、立体、平面といった建築に深いかかわりのある用語がちりばめれている。

夢二は1931年に欧米に旅行し、1933年にはドイツにも滞在しているが、ドイツ美術の動向に関しては、渡欧以前からある程度の知識をもっていたようだ。

どんたく社同人とあるのは、夢二が仲間と立ち上げた美術出版社のことである。

(1930年 木版 56.5×39.6㎝ 竹久夢二美術館)





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