八重洲中通りを飲み歩く

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四方山話の幹事仲間と八重洲中通りを飲み歩いた。この日は、昨夜来の雪が数年ぶりに積もり、東京は雪に埋もれるありさまだったので、家人からは自重したほうがよいと言われたのだが、山歩き用の靴をはいて、ペンギン歩きをすればなんとかなるさ、と考えて出かけた次第。おかげで大事に至らず飲み歩くことができた。

五時過ぎに東京駅八重洲中央口改札付近で落ち合う。その前に小生は、八重洲口付近の再開発の状況を見たいと思い、早めに到着して一帯を観察した。中央口のすぐ前は巨大な複合ビルが建ち、八重洲ブックセンターも解体の最中だった。

かつて熟女たちと一緒に入ったすし屋に行ったところ、他の店に変わっている。品書きを見ると結構高い。そこで別の店にしようということになり、中通りを捜し歩いた。東京駅寄りの一角にも再開発ビルが建てられつつある。この一帯は再開発の盛りということらしい。歩き回るうちに安そうな店を見つけて入った。大穴という大衆酒場風の店だ。

そこで生ビールで乾杯。白子のてんぷらを食いながら近況を語り合った。一月の中ごろには四方山のメンバー全体の新年会を催したのだが、小生はあいにく体調が悪くて参加できなかった。会の様子を聞いたところ、七名が参加し、いつもどおり談笑したそうだ。岸田政権の評価なども話題になったそうだが、石子はこの政権をけっこう高く評価している様子。小生はこの政権にはマイナスイメージしか持てないので、評価する気にはなれない。

浦子は、このところ細君が病院通いを続けていて、その付き添いに忙しいのだそうだ。健康診断でひっかかって精密検査を何回もやるのだが、なかなか病因がつきとめられないとのことだ。俺も女房の手術に付き添って病院へ行ったよ、と小生が言うと、どんな病気かと聞かれたから、白内障だと答える。そんなものは病気のうちには入らんよと石子が言う。

ところで大阪行きの件はどうなったかね、という話題になり、その件については俺が計画をデザインしてきたから、後程二件目の店で説明したい。なにしろこの店はうるさいからね、と浦子が言う。たしかに、入ってしばらくたつと、160席あるという広い店内が満員になっている。それだけの人間が集まれば、うるさくなるのは勢いだ。

アナゴの煮物とか牛筋を食い、さらに握り寿司を食った。この店はメニューがなかなか豊富だ。なかに「くりから」というのがある。これは何かねと石子が言うから、倶利伽羅峠にちなんだものだろう、と小生が解説する。そこで石子がウェイトレスを捕まえてクリカラとは何だと聞くと、アナゴだと言う。アナゴをなぜクリカラと呼ぶのか、それについてまでは知らないようである。

言葉の意味を詮索したついでに、熟女の定義は何かと岩子がいきなり言い出した。そこで小生は、「可愛い女のことさ」と答えた。

一件目は二時間ほどで切り上げ、二件目に移ることにした。やはり中通りに面したアイリッシュバーに入った。数年前に入ったことのある店である。今晩はすいていて、しかも西洋人の姿が目立つ。彼らのたまり場になっているようである。ここで浦子が大阪行きのデザインを披露した。岩子が夫婦連れで訪れるのを想定しながら作ったそうだ。北新地を足場にして、北から南までひととおり歩きたい。ついては関西在住の清子に声をかけて、一緒に飲もうじゃないかという話も出た。小生は最近清子の新著を贈られて、その書評を書いたので、近々「落日贅言」の最新稿とあわせて案内するよと話した。

大阪ではツインの部屋を一人で使えるように手配したい。いま色々当たっているが、外国人を中心にオーバーツーリズムが生じており、リーズナブルなホテルがなかなか見つからない。そこでアパホテルなども候補に入れている、と浦子が言うので、あの経営者は気に入らんが、部屋に泊まるのはかまわんよ、と他の三人は答えた。

ところで某都知事は本当にカイロ大学を出ているのかね、と浦子がいきなり言い出した。そこで小生は、あの人がアラブ語を話すのを聞いた者はいないようだから、おそらくカイロ大学は出ていないと思うよ、と小生は語った。あの知事の問題は、学歴のことよりも東京の緑の破壊者として振る舞っていることだよ。なにしろ神宮の森のあの貴重な緑を台無しにしようというのだからね。

今晩もこんな調子で和気藹々と過ごした。我々はもういつ死んでもおかしくない年なのだから、毎日を納得して過ごせるのが一番いい。精神をリラックスさせ、身体を適度に動かす。また肺炎にかからぬよう気を付ける。肺炎にかかるとあっという間に命の危険に見舞われるからね。






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