日本も監視されていた:アメリカの盗聴疑惑

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アメリカが敵性国だけでなく同盟国も対象にして政治指導者等に対する盗聴活動や監視を行ってきたことについては、先日このブログでも取り上げたところだが、その際メディアに質問された日本の安倍政権の官房長官が、大した調査もせずに、日本については「まったく問題ない」と答え、安倍政権のアメリカに対する信頼がゆるぎないことを紹介した。ところがそれからいくばくも経たないうちに、日本もやはり監視対象だったということが明らかになった。

明らかにしたのはアメリカ政府ではなく、ニューヨークタイムズだ。今回の騒ぎの発端を作ったスノーデンの情報をもとに、アメリカの各国に対する監視活動の詳細を明らかにしたのだが、その中で日本も監視対象になっていたと書いたのだった。

それを聞かされた安倍政権は面子をつぶされたと感じたようだ。あんなに信頼していたのにひどいじゃないか、ということらしい。小野寺防衛大臣などは、こんなことは「決して望ましいことではない」ことなので、「信じたくない」といっているそうだ。信じたくないのは勝手だが、そうかといって、それで事実が消えるわけでもあるまい。

世の中には、念願を事実と取り違えることはままあることだ。そうあってほしくない、と言う念願が、そのはずはないという憶測になり、更にはそうではないという事実認識に切り替わるというメカニズムで、心理学者に言わせれば、それなりに根拠のある現象らしい。

しかし念願だけが専行して、事実を見ないという姿勢からどんな事態が生じるか、あらためて指摘するまでのこともあるまい。








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