世界から孤立する安倍政権下の日本

| コメント(0)
安倍さんが靖国神社を参拝したところ早速海外からの反応があった。中国と韓国から厳しい批判があったのは、安倍さんとしても織り込み済みだったと思うが、アメリカ政府から厳しい批判があったのは想定外だったようだ。そのほかEUやロシア政府も批判のコメントを出し、各国の主要メディアも批判的な解説記事を、それこそ花火のような勢いで出した次第だ。

これに対して安倍さんのほうは、自分は決して間違ってはいないのであって、世界の皆さんが誤解しているのです、と強弁している有様だ。安倍さんのお友達も、安倍さんに声を併せて、海外からの批判は内政干渉だなどと息を巻いている。このような光景を見せつけられると、日本の今の政治家たちは、北条政権時代の為政者たちとちっとも変っていないという思いを抱かざるを得ない。北条政権も、唯我独尊の姿勢では安倍政権に劣らなかった。なにしろ当時の超大国である元が、たび重ねて外交使節を派遣し、日本に国交の樹立(実際は臣下としての礼)を迫ったのに対して、これをことごとく無視するばかりか、相手国の外交官を次々と殺しさえした。この結果北条政権は、或は避けられたかもしれない無用の戦争(元寇のこと)を、自分の方から招きよせたわけだ。

戦前の日本政府も、唯我独尊と言う点では、北条政権と何ら異なるところはなかった。満州事変や支那事変を意図的に引き起こしておいて、外交努力を一切せず、国民党政権は相手にせずなどと言って、唯我独尊の態度にこだわったおかげで、日中戦争は泥沼化し、ついにはアジア太平洋戦争へと、奈落の道を突っ走ったわけだ。

鎌倉時代の北条政権にしろ戦前の東条政権にしろ、外交センスが全くないという点では一致している。それに安倍政権が加われば、日本という国の唯我独尊的外交ナンセンスは、この国に染みついた因業のようなもの、いってみれば遺伝子のなせる業だと思われても致し方がない。

とにかく安倍さんの外交ナンセンスには、ほとほと驚かされる。自分のほうから相手を挑発しておいて、相手がその挑発に乗ると、悪いのは挑発した自分のほうではなく、挑発に乗って騒いでいる相手の方だ、というようなことを平気で言うのだから。これでは日本は、世界の中で責任ある地位を占めることはとてもできないだろう。それどころか、世界からますます孤立するばかりだ。








コメントする

アーカイブ