FNは負けたのか、勝ったのか? フランスの地域圏題二回投票

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フランスの地域圏議会選挙の第二回目の投票が行われた。欧米メディアの大勢はこれをFNの敗北と伝えている。FNは第一回目の投票では最多の票を集めた。第二回目の投票でもその勢いは陰らず、いくつかの地域圏では第一党になって、その地域圏を支配するようになるのではないか、との憶測が流れていた。そんな中で、FNはいづこにおいても最多数を制することができなかった。それが大方のメディアには敗北と映ったわけだ。

フランスの地域圏選挙は、比例代表制で行われる。第一回目の投票で過半数を制した政党が無い場合には、下位の政党を除外して第二回目の投票が行われる。そこで最多数を獲得した政党に50パーセントの議席が与えられ、その政党が地域圏の首長を出すという仕組だ。今回の二回目の投票では、メインランドの12の地域圏のうち7を右派連合が、5を左派連合が制し、FNはひとつも勝てなかったわけだ。

FNが勝てなかった理由は、FNの台頭に危機感を抱いた与党の左派連合が、自らは立候補を見送って右派連合に投票したことにある。この戦術のおかげで、FN圧勝が伝えられていた北部ノール・パ・ド・カレー・ピカルディー地域圏と南部プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏でもFNは敗退した。北部は党首マリーヌ・ル・ペンの選挙区であり、FNとしてはどうしても勝ちたかったところだと言われる。

今回の選挙は、新興の反体制政党FNと守旧派の体制政党連合の一騎打ちだとする見方が強い。体制政党側は、FNをファシストだと決めつけ、フランスをファシズムの危機から守ろうと訴えた。その訴えがある程度聞いたのではないかとの見方は、投票率が一回目より9パーセントも上がったことに示されているようだ。

FNはそれでも、第一回目のときよりも、わずかだが票を伸ばし、650万票を獲得した。その勢いはだから止まっているとは言えないだろう。FNは果して負けたのだろうか、それとも勝ったのだろうか?







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