梅に遊禽図:狩野山雪

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「梅に遊禽図」は、天球院方丈上間二の間を飾る十八面のうちの四面。部屋の東側を飾り、北側の「梅に山鳥図」に連続する位置にある。梅の老木と、それにやすらう小禽たちを描いている。

画面の中心は左側にある。二本の檜がすっくとたち、その傍らに梅の老木がカーブを描きながら伸び広がっている。梅の木はいったん雲の中に姿を消すが、その先端部が雲の合間から覗いている。梅の木のイメージは雲によって遮断されているわけだが、それによってかえって動きを感じさせることとなっている。

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これは梅の木の幹の部分を拡大したもの。上方では梅の花が咲き広がる一方、根方では躑躅が咲き、そのまわりに山鳥や小鳥が身を寄せている。金地を背景にして、独特の艶を感じさせる。(紙本着色 各189.5×141.2cm 重文)






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