
腰が極端にくびれた人物像の典型が、このマンティクロスのアポロン像である。テーバイから出土したこのブロンズ像は、先に見た壺の文様における人物のパターンを立体的に表現したものだ。
ギリシャ美術の最大の特徴は、男子の裸体美を追求したことにあるが、その先駆けとなったのが、このブロンズ像を代表とする、この時期の人物表現であったわけだ。
この像には、人物のイメージを構成的に捉えようとする視点が働いている。大きな目をもった顔の表情にも、人間の意思のようなものが感じられ、体の線にはダイナミックな動きを感じる。

これは側面からみたところ。腰は細く、その分尻は大きく出ている。全体としてS字型のカーブを描いており、体格の表現に躍動感を見ることができる。
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