花を摘む乙女:ヘレニズム美術

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「花を摘む乙女」と呼ばれるこの絵は、ポンペイ遺跡の一つで、スタビアから出土した壁画の一部である。花を摘みながら歩む乙女の後姿を描いている。フレスコ画である。二千年以上前のものだとは思えないほど、鮮やかな色彩を残している。

女性の後姿は独特の色気を感じさせる。その色気を、紀元前の人々もわかっていたようだ。女性は右肩をあらわにして、横ざまに振り返りながら右手を伸ばして花を摘もうとしている。左手に抱えた籠には、すでに摘み取った花があふれるように盛られている。この背の高い花は、何という花だろうか。

この女性は八頭身はあろうか。そのわりに全体としてふくよかな印象を与える。そのふくよかな感じはヒップの部分に集約されている。女性の後姿のチャームポイントは、やはりヒップにあるようだ。(BC二世紀頃 ナポリ考古学博物館)






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