文楽の舞台を見る

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先日親しい友人たちと能登に旅した際、淡路人形座で人形浄瑠璃を見た印象について、このブログで紹介したところだが、その後、NHKの番組が文楽の舞台を放送したので、それを見た。文楽を見ることは滅多にないのだが、淡路の人形浄瑠璃に刺激される形で見た次第だ。

この日の出し物は、仮名手本忠臣蔵。この長い作品の中から、いくつか見せ場を取り出して披露していた。小生は、先日の舞台説明を思い出しながら、人形の使い方とか、浄瑠璃太夫の語りに注目した。

これは、塩冶判官切腹の場面。人形を三人で操っている。先日の淡路での説明通り、メーンの人形遣いは直面で、残りの二人は黒い衣を頭からかぶっている。いまどきの舞台は照明が明るいので、人形も黒子もはっきりと見えてしまうが、近松の頃の舞台は、非常に暗くて、黒子は無論、メーンの人形遣いもあまりよくは見えなかった、と富岡多恵子が考証していた。当時は、暗闇の中から人形が浮かび上がってくるように見えたはずだというのである。

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これは、脇役の人形たち。脇役でも、位の高い人物役は、三人で人形を操るのだが、位の低い人物役は、このように黒子一人で操る。

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これは、浄瑠璃語りと三味線弾きだ。人形浄瑠璃は基本的には、三味線一台の音に合わせて、浄瑠璃太夫が語る。地と台詞を一人でこなすので、その音域は広い。なお、この時の浄瑠璃太夫は豊竹咲太夫、三味線は鶴澤燕三。塩冶判官の人形は吉田和生が操っていた。






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