花見鷹狩図屏風

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花見鷹狩図屏風は、左隻に武士たちの鷹狩の様子を、右隻に庶民の花見行楽の様子を描き分けたもので、桃山時代の風俗の一端をあらわしている。作者は、雪舟の後継者を自認していた雲谷等顔。等顔の画風は謹直なことが特色と言われるが、この作品にも線の描き方を始め、等顔らしい謹直さがうかがわれる。

これは左隻。墨で線を丁寧に引いた上に、顔料で色を重ねている。着色した墨画といった風情である。野山いっぱいに武士たちが散らばり、鷹を放って獲物を追いう姿が克明に描かれている。

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これは右隻。左隻に比べると色彩が鮮やかである。その鮮やかさは、花の色のほかに、あるいはそれ以上に、人々の色彩豊かな服装に表現されている。

(紙本墨画着色 六曲一双 MOA美術館 重文)






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