百鬼夜行絵巻7(朝日から逃げる妖怪たち)

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百鬼夜行絵巻は、だいたいが朝日を最後に描いている。妖怪たちは、日の出のやや前に籠から抜け出してさまよい歩き、日の出とともに籠に戻るというのがパターンだった。真珠庵本も、そのパターンにしたがい、巻物の最後に朝日を描いている。

これは、朝日の光を浴びて逃げ惑う妖怪たち。かれらは前に出て来た葛籠めざして逃げているのである。右手から、白鬼、白鷺、瓢、子ウサギ、白龍の妖怪。

白竜も白鷺も空を飛べるはずで、それが何故葛籠を好むのかよくわからぬが、妖怪としては、やはり古道具の同類なのか。いずれにしても、百鬼夜行の妖怪たちは、本来は古道具の化け物で、動物は付随的に付け加わったものと考えられる。

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これは上る朝日を描いたもの。これについては異説もある。「付喪神記」には、陀羅尼から発する付喪神調伏の火の玉についての記事があるが、これはその日の玉を描いたのだろうとする説である。どちらにしても、付喪神たちは、この大きくて赤い物体に、脅威を感じて逃げ惑うわけだ。







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