公務員に学問の自由はない:菅首相NHKに語る

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昨夜のNHKのニュース番組(ニュースウォッチ9)が菅首相をスタジオに招いてインタビューを行った。この日、菅首相は国会ではじめて所信表明を行ったので、それを踏まえて首相としての抱負を聞きたいという趣旨だったようだ。ところが、所信表明自体が内容に乏しいものだったこともあり、また首相本人も国民に向って抱負を語りたがるタイプでもないようで、インタビューのやりとりは退屈極まりないものだった。それには、菅首相を怒らせないようにとのNHKの配慮を感じさせられたくらいだ。

その中で、キャスターの意気込みからだろうか、例の学術会議の任命拒否問題が話題になったのが唯一つの聞き所だった。もっとも内容はひどいものだった。菅首相は、任命を拒否した具体的な理由を聞かれたのにかかわらず、それについては全く応えずに、学術会議への個人的な不満のようなものを吐露した。言っていることは、学術会議には十億円もの税金が使われている、学術会議のメンバーは公務員だ、というようなことだ。それを聞くと、どうも菅首相は、学術会議のメンバーは公務員なのだから、学問の自由はないと言いたいようだ。その考えは言葉の端々から伝わって来た。

公務員には学問の自由はない。公務員は政府の考えにしたがうべきだ。そういうスタンスがひしひしと伝わって来た。そう考えているから、学術会議の人事が時の権力の意向に沿うのは当たり前のことで、その人事についてあれこれとやかく言われる筋合いはない。だから説明する必要もない。どうもそんなふうに考えているように伝わって来る。

もしそうだとしたら、菅首相は学問の自由を保障した憲法の趣旨を全く理解していないというべきだろう。憲法第23条は、かつて学問の自由が権力によって奪われ、そのことで我が国が間違った方向に向かっていったという反省から規定されたものだ。学問の自由とは、単に学問することの個人的な自由ではなく、権力の介入を許さないということだ。それを菅首相は全く理解していない。学問の自由は、単に個人的な趣味の問題くらいに考えているフシがある。

菅首相の不勉強ぶりは、憲法理解の欠如のみならず、自分にとって晴れ舞台であるはずの所信表明演説からもうかがわれた。官僚に書かせたらしい演説原稿を棒読みするといったテイのものだったが、それを菅首相は六度も読み違えたという。たとえば、「重傷者に重点化します」というところを「重傷者にゲンテンカします」といった具合だ。あまりにもお粗末なので、笑えない程だ。かつて漢字が読めないといってバカにされた総理大臣がいたが、その場合でも一度の言い間違えをことあげされただけだった。ところが菅首相は、間違いだらけの所信表明演説をして平然としている。国民としては不安を感じさせられるところだ。





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