
蕭白は、龍や虎が好きだったとみえ、それぞれいくつも描いているが、これはその龍と虎を双幅に並べたもの。描き方には蕭白ならではの特徴がある。龍は竜巻に乗った形で頭の部分だけが表現され、虎はいじけた表情でかがみこんでいる。
龍が竜巻に乗るというイメージはわかりやすいが、虎がいじけているのはいかがなものか。この虎のイメージは、無頼派の先輩岩佐又兵衛ゆずりのものだという説が有力だ。龍の表情も、虎におとらずヒョウキンである。
落款には、単に曽我蕭白画とある。1770年代に京都で製作されたと推測されるが、詳しいことはわからない。
(1770年代? 紙本墨画 双幅 各133.5×53.6cm ボストン美術館)
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