グズな首相とドジな大臣:迷走するコロナ二人組

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コロナ対策ではことごとく後手に回り、しかも国民の命より五輪開催を優先するかのような菅首相に厳しい非難が向けられている。ジャーナリストの田原総一郎が最近首相と話した時の印象では、五輪開催はどうしてもやめるわけにはいかない、その理由はIOCの強い要求があるからだといって、自分自身の指導力には全く何らの責任を感じていない様子だったらしい。

菅首相が五輪開催に突っ走る理由はただ一つ、コロナを克服して安全安心な状況を作り出すことにあると言ってよい。ところがそれに赤信号がともった。五輪までにコロナを多少とも抑え込むためには、菅首相が口癖のように言っている一日百万回の接種が最低限必要だが、それがどうもむつかしいことがわかった。必要なワクチンが確保できる見込みが無くなったので、一日百万回の接種は到底無理になったということらしい。

これには、河野大臣の見通しの甘さがある。菅首相に発破をかけられて、職域接種の体制を強力に築いたのはよいが、肝心のワクチンの供給が追い付かないというのだ。河野大臣の仕事ぶりについては、その場限りの刹那主義が指摘されてきたが、その悪い面が表面化したということだろう。一時は、接種体制の遅れを非難され、政治的に大きなダメージを受けたものの、最近の働きぶりで、失地回復をアピールできたと思ったら、この始末である。ドジというほかはない。

河野大臣がもっとうまくやっていたら、菅首相も面目が立ったかもしれない。だが、河野大臣のドジな仕事ぶりのおかげで、公約の一日百万回接種は実現しそうもない。菅首相のコロナ対策の遅れは、厳しい非難を招き、そのもたもたした仕事ぶりは、グズと言われても仕方がなかった。今回の事態は、そうしたグズな首相という印象を決定的にしたのではないか。そんなグズな首相とドジな大臣の組合わせが日本のコロナ対策を担っているわけだが、このコロナ二人組というべき彼らの迷走ぶりは目を覆うばかりだ。

また、菅首相の一連の言動についていえば、日本国の首相というより、IOCのエージェントといってよいものだ。その点は、丸川五輪大臣も変らない。五輪関係者のなかで橋本組織委員長は、五輪マフィアの正式な一員だから、IOCのために働くのもわからないではないが、丸川大臣は、かりにも閣僚である。閣僚といえば国民の代表といってよい。その国民の代表たるべき丸川大臣も、菅首相同様IOCのエージェントのような振舞をしている。

こうした首相や大臣を持った日本国民は、実に不幸というほかはない。





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