米民主党政権は戦争を始めるのは得意だが終わらせるのは苦手だ

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アフガニスタンでの混乱の報道に日々接して、バイデン政権のだらしなさを実感しているのは小生だけではあるまい。アフガニスタンからの撤退方針そのものには一定の合理的理由があったと思うが、しかしやり方がでたらめだ。情勢判断が全くできていないためだ。自分勝手な思い込みだけで、相手側のことを何も考えていないから、タリバンに簡単にしてやられたというわけだ。

アメリカは、朝鮮戦争をきちんと終わらせられなかったし(今も停戦中の扱い)、ベトナム戦争は実質的な敗北に終わったように、自分で始めた戦争をきちんと始末できなかった歴史がある。今回もその轍を踏んだということだろう。ところでアメリカは、大きな戦争を民主党の政権の時に始めた。第二次大戦はローズヴェルトが始め、朝鮮戦争はトルーマンが始め、ベトナム戦争はジョンソンが始めた。ケネディは当時のソ連と戦争勃発一歩手前までいった。要するにアメリカの民主党政権は戦争好きなのだ。そうした戦争を終わらせたのは、第二次大戦を除いては、共和党政権である。朝鮮戦争をやめさせたのはアイゼンハワーだし、ベトナム戦争はニクソンがやめさせた。要するに民主党が始めた戦争の尻拭いを共和党がしてきたわけだ。

今回のアフガニスタンは、それとは全く逆の構図になった。共和党のブッシュ・ジュニアが激情にかられて始めた戦争を、民主党のバイデンが終わらせた。その民主党はこれまで、自分の始めた戦争の尻拭いを共和党にさせてきたことで、戦争の終わらせ方を学んでこなかったのだろう。それが今回の無様な事態をもたらしたといってよさそうである。民主党は、戦争を始めるのは得意だが、終わらせるのは苦手とみえる。

アメリカはこれまで、圧倒的な国力を背景にして、戦争ゲームを楽しむ余裕があった。アメリカ経済は軍需と密接に結びついているので、定期的に戦争をおこしたくなる体質を持っている。ただやみくもに戦争をやるわけにもいかぬから、やれ普遍的な価値を守るとか、同盟国との団結を重視するとか、いろいろな理屈をつけてはきたが、実態は、押し入り強盗を働いたも同然だった。押し入り強盗がいつまでも居座れるとは限らない。今回は、長居しすぎて相手の憤懣を高じさせ、ついに叩き出されたというところだろう。

ともあれ、アメリカの二大政党制は、戦争についても独得の役割分担をしているようである。





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