レームダックがワッチドッグをつとめたがる

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菅首相が昨夜のコロナ延長についての記者会見に臨み、自身の進退問題に触れたうえで、自分なりに功績を誇って見せ、「未来へ道筋を示せた」と胸を張った。だが、首相のその言葉を素直に受け止める人はいないだろう。ほとんどの人は菅首相を、憲政史上最も無能な首相であり、かれのやったことは、コロナを放置して国民の命を危険にさらしたことだと思っているに違いない。そのかれが首相の座を降りると公言したいまでは、もはや死に体同然であり、いわゆるレームダックの状態に陥っていると誰もが思っているはずだ。

その菅首相がどういうわけか、バイデンの呼びかけに応じて国際会議に出席するそうだ。いわゆるクワッドと呼ばれるもので、中國包囲網の形成を狙ったものだ。その会議になぜ、すでにレームダックになっている日本の菅を呼んだのか。色々憶測が流れているが、バイデンも菅同様に米国民に至って不人気であり、その鬱憤を菅と共有して、慰めあいたいということらしい。

このいささかボケ気味の老人同士が互いに慰めあうのは、別にかまわないが、レームダックの菅が、バイデンのために米国のワッチドッグとなって、余計な振舞いに及び、日本の国益を損なうのは看過できない。バイデンの中國敵視は、あきらかに人種差別意識に基づいてのものであり、白色人種国家による黄色人種国家の打倒をめざしたものだ。その人種戦争に、中國と同じく黄色人種国家の日本が参戦し、白色人種国家のための犬の役割を果たすというのが、バイデンの目論見であり、また菅の覚悟でもあるようだ。

菅の後継者がかならずしも菅の敷いた路線に束縛されるとは限らないが、しかしすでにレームダックとして当事者能力を失っている者が、日本を代表してあらぬ約束をするのは国益にかなわない。後継首相候補者の中には、菅以上に好戦的で対中強硬の姿勢を見せ、突撃ラッパを思わせるような言動をしている者もいるが、幸いなことに、有力とされる候補者は、多少のバランス感覚を備えているようなので、レームダックの菅がバイデン相手に約束するワッチドッグの役割に、かならずしもこだわらないという姿勢を見せてくれるであろう。

ともあれ、鳴かないアヒルでは、番犬もつとまるまい。





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