クールベ「女とオウム」:バルビゾン派の画家たち

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「女とオウム(La Femme au perroquet)」は、クールベの1860年代半ばの裸婦像の一つだが、これを1866年のサロンに出展したところ、好意的な反応があった。エロチック性を抑えて、ギリシャ神話を思わせるような物語性を打ち出したことが、裸婦像の伝統に反しないと思われたためだろう。

この作品が好評だったために、クールベの世俗的な評判が高まり、絵の注文が増え、また、高く買ってもらえるようになった。かれのそうした成功は、1870年にレジョンドヌール勲章の授与につながったが、かれは持ち前の自尊心から、それを辞退した。

寝そべった裸婦の左手にオウムが止まりかけている瞬間を捕らえたこの作品は、躍動感に満ちている。そうした躍動観は、ドラクロアなどのロマン主義絵画に通じるものがあるが、クールベ自身はあくまでもリアリズムにこだわっていた。

(1866年 カンバスに油彩 129.5×195.6cm ニューヨーク、メトロポリタン美術館)





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