安倍晋三元首相が、プーチンとの度重なる対話の中で、北方領土の問題について二島返還に舵を変えていたことを認める発言をしたというふうにメディア等で伝わってきた。これまで憶測に過ぎなかったことが、本人の発言で裏付けられたということだ。
二島返還で妥協するということは、これまでの日本政府の方針を覆すものだし、そもそもあらゆる意味での妥当性を持たない。だからそれを日本の首相として進めようとすることは、売国行為だと小生は主張してきた。その売国行為を安倍元首相は、岸田政権にも引き継いでほしいと、あつかましい言い方をしているようだ。とんでもないことである。岸田政権に国を憂える気持ちがあるならば、そんな売国的でかつ屈辱的な行為をするべきではないと、声を大にして言いたい。
安倍元総理は、時間をかけてもなかなか進展しないことを唯一の理由にして、二島返還で妥協したほうが、日本にも実利がとれていいだろうというような寝ぼけたことを言っているらしいが、領土問題は実利の問題ではない。民族の存続にかかわる問題だ。だいいち、時間がもったいないからいい加減なところで妥協するなどとは、全く以て話にならない言い分だ。領土問題の解決に時間がかかるのは歴史の教えるとおりだ。ユダヤ人が領土を「回復」するのに二千年もかかったのはその一例だ。だから日本も腰を据えて領土の回復を叫び続けねばならない。失われた領土が対話で戻された例はない。日本はあらゆる機会をとらえてロシアに圧力をかけ続けるべきである。ロシアは日本を不法に占領しているということを、ロシアにも、ロシア以外の国際社会にも訴え続ける必要がある。
安倍晋三はなぜ、かくも卑屈な態度をロシアに対してとってきたのか。彼の祖父は、アメリカによる日本の占領を事実上無期限に延長した。それも立派な売国行為である。その孫である安倍晋三が北方領土の大部分をすすんでロシアに与えようというのは、祖父以上にひどい売国行為と言わねばならない。とにかくかかる不名誉な方針を岸田政権は引き継ぐべきではない。
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