トランプの家畜と化す米共和党

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米共和党が、昨年1月6日に起きたトランプ支持者による連邦議会襲撃を「正当な政治的言動」と宣言し、トランプの責任を追及してきた二人の共和党議員、リズ・チェイニーとアダム・キンジンガーを非難する決議を出した。ソルトレークシティで催された会議の席上、真剣に議論された形跡はなく、また、これに反対する意見を述べた議員もいなかったという。つまり共和党の総意として、以上のような宣言が出されたということだ。

共和党はまた、この二人の議院を、今年行われる中間選挙から排除する意向を表明した。これについて、キンジンガーはすでに引退する意向を示しているが、チェイニー議員は、自分は屈することなく、合衆国憲法を守る戦いを続けると言っているそうだ。共和党は彼女への当て馬を立てるつもりのようだが、彼女はあくまで正規の手続きにしたがって共和党の指名をめざすと言っている。

こうした事態は、トランプがいまだに共和党に対して強大な影響力をもっていることを示している。中間選挙を控えて、共和党議員は、トランプの怒りを買うと政治的につぶされると恐れているようだ。その恐れがこうした異常な事態をもたらしているわけで、いまや共和党は、トランプに飼いならされた家畜の群れというべきである。

トランプを制御できるのは、もはや誰もいないのか。議会の調査会はなかなか前へ進めないでいる。その調査会を出し抜いて、司法が介入するということもないようだ。やがて中間選挙が行われて、共和党が大勝するようなことがあると、トランプの権威はますます高まり、かれのやることはなんでも正義ということになりかねない。そうなったらトランプは、憲法改正して終身大統領をめざしたり、米国を君主制国家に改変し、自分がその君主になろうとまでしかねない。






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