プーチンの打算は成り立つか:ウクライナ侵攻の真意

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プーチンがウクライナへの侵攻を始めた。新ロシア勢力のウクライナからの独立を承認し、その独立国家の平和を保証すると称して、公然たる介入を始めたのだ。それに対してNATO諸国は有効な対応ができていない。せいぜい経済制裁をちらつかせているくらいだ。そんなことでプーチンの野望を砕くことはできぬ。

プーチンは、バイデンとの間で解決に向けた交渉を始めようと話していた矢先にこの挙に出たわけで、バイデンは恥をかかされた形になった。そのバイデンの政敵トランプは、バイデンに恥をかかせたことで、プーチンをほめているありさまだ。

今のところバイデンも、ヨーロッパの大国の指導者たちも、プーチンを抑える手立てを持たないかのようだ。それを十分見越していたからこそ、プーチンはこのような博打に出たのだろう。

そこでプーチンがどのような意図から、この博打に打って出たか、色々な見方がなされているが、小生は次のように考えている。

プーチンの意図は二つあると思う。一つはNATOの東への拡大をやめさせること、もう一つはロシアの国家的威信を強化することだ。それに関して、二つの打算がなされている。一つは、ウクライナを準戦時状態に置くことによって、NATOがこれを受け入れにくい状態に追いやること。NATOは、戦争状態にあるような国を積極的に受け入れる動機を持たないので、ウクライナにロシアが侵攻して、事実上の戦争状態を維持できれば、その期間はNATOによるウクライナ加盟への可能性は限りなくなくなる。そのような荒療治でしか、NATOにウクライナ加盟をやめさせる手立てはないとプーチンは考えているのだろう。

ロシアの威信の拡大という点では、正常なやり方ではなかなかNATO諸国の足元に及ばないので、このさい、変則的な方法を用いてでも、NATO諸国にロシアの実力を思い知らせようと思ったのではないか。言うなればブリンクマン・シップであり、北朝鮮の金正恩を真似しているわけだ。

そうした打算が、はたして成り立つのか。絶体成り立たないとは言えない、というのが当面の真相ではないか。





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