GDP四位転落はアベノミクスの成果

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日本のGDPがドイツのそれに抜かれ、今までの三位から四位に転落したそうだ。その原因は対米為替レートで円安になったためで、名目上の比率ではドイツに抜かれたが、実質的にはそんなに悲観することではないという意見もあるようだが、円安を含めて日本の経済力が弱まっていることを反映したものだととらえるのが自然なことであろう。

円安になったのは、アベノミクスの結果である。日銀が、中央銀行としての使命を放棄し、アベノミクスに呼応して円安政策を進めた結果である。円安になれば、全体として経済力が上がるという理屈でそうした政策を推し進めたわけだが、円安が経済の底上げにつながるという理屈は、いまでは成り立たない。工場をはじめ経済拠点の海外移転が進んだ結果、円安の恩恵を受ける国内企業が減る一方で、円安による物価高のほうはボディーブローのようにマイナスの効果をもたらす。国全体が円安によって、全体としてはマイナスの効果を受けているのである。

そのため、日本の経済力が弱まり、それがGDPの減少という形であらわれる。その結果、ドイツに追い越されたというわけであろう。人口規模で言えば、ドイツは日本の三分の二である。経済の規模はだいたい人口に比例するから、本来なら日本がドイツを下回るというのはないはずなのだ。それがいとも簡単にドイツを下回ってしまうのだから、日本はよほどパフォーマンスの悪い国と言える。

遠からずしてインドにも抜かれると予想されている。インドは日本の十倍以上の人口規模をもつから、ある意味法則にそった現象と言えるが、ドイツを下回ることを安易に受け入れているようでは、ほかの国にも追い越されないとは限らない。日本人はもっと気を引き締めねばならぬ。そのためには、創造的な人材を養成する必要があるだろう。画一的な行動しかとれないような国民性では、一流にはなれない。






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