秋草文様小袖(冬木小袖):尾形光琳

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秋草をあしらったこの小袖は、江戸の材木商冬木家に伝来したことから「冬木小袖」と呼ばれている。江戸に出て来たばかりの光琳が、冬木家の求めに応じて製作したものらしい。小袖の白い布地に、墨と淡彩で秋草を描いたものだ。

小袖の背中に当たる部分を縦長の画面に見立て、そこに一叢の桔梗と菊の花を描き、そこから流れるようにして、前面や袖の部分につなげている。色彩は花固有の色にこだわらず、藍や濃紫を使って、装飾的に仕上げている。しかも小袖の実用性にも十分考慮して、帯のあたる部分は無地のまま残している。

小袖に洒落た絵柄を施すことは元禄末期からはやったらしいが、光琳のものとしては、この一点が知られているにすぎない。

京都の呉服屋雁金屋に生まれた光琳としては、着物の図柄には十分な素養があったことを感じさせる一点だ。

(小袖に着色 総丈155㎝ 袖丈46.5㎝ 東京国立博物館 国宝)







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