ルブリョフの大天使ミカエル:ロシア正教のイコン

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アンドレイ・ルブリョフは15世紀初頭に活躍した人で、修道僧でありかつイコン作者であった。彼の名は、ロシアのイコン史上もっとも高名なこともあり、さまざまなイコンが彼の作だと伝えられてきた。しかし今日ルブリョフの作と断定されているものは、「ズヴェニゴロドのデイシス」の一部と「聖三位一体」だけである。

「ズヴェニゴロドのデイシス」は、モスクワ近郊ズヴェニゴロドのウスペンスキー聖堂を飾るイコノスタシスのために描かれたもので、後にモスクワのブラゴヴェシェンスキー大聖堂に移された。このデイシスには少なくとも七つのルブリョフ作のイコンがあったとされるが、今日伝わっているのは、そのうちの三つである。

これはその三つのうちのひとつで、大天使ミカエルを描いたもの。このほかに、キリストとパウロの像が残っている。このミカエル像は、下部の顔料が剥離するなどかなり損傷しているが、ほかの二点にくらべればまだましな状態であるから、このデイシス全体がいかに激しく損傷したか察せられる。






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