トランプの婿がボルティモアの不動産王だった

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トランプの激しい人種差別攻撃は、ボルティモア選出の黒人議員カミングズに向けられ、トランプはカミングズなみならず、彼を連邦議員に選んだボルティモアまで、口汚く攻撃した。ボルティモアは不潔な町で、鼠だらけであり、まともな人間の住むところではないというのだ。これは、坊主憎けりゃ袈裟まで憎しのたぐいなのだろうが、罵られたボルティモアの人びとは心穏やかではないだろう。人種差別主義者としていまや自他ともに認めるトランプだが、なにしろアメリカ合衆国の大統領なのだ。その大統領からこんなふうに罵られたら、誰でもいい気持ちがするはずはない。

ボルティモアの関係者の中には、トランプの言い分を認める人もいるようで、たしかにトランプの言うとおり、ボルティモアには、鼠だらけの不潔な建物もあると指摘する人もいる。ところが、面白いことに、そうした不潔な建物を多数所有しているボルティモアの不動産王とでもいうべき人物が、トランプの娘婿ジャレド・クシュナーだというのだ。

クシュナーはボルティモア地区に、17の住宅団地を所有し、そこに9000世帯が住んでいるが、そのアパートが、ひどい衛生状態だという。鼠が跋扈するほかに、カビや蛆虫まで繁茂している。何故そうなのかというと、所有主のクシャナーが、建築法規を遵守せず、もうけ主義だからだ。そのくせ、家賃の支払いを滞らせた入所者は、すぐに追いだすという。そんなやり方から、地元ではスラム街の顔役と呼ばれ、そのあくどさがスラム住民の怨嗟の的になっているらしい。

クシュナーは、ホワイトハウス入りしたことを契機に、現在はこの不動産会社の役員を退いているが、実質的なオーナーとして、この会社の経営を差配していることにはかわりない。そのクシュナーが、トランプの言ったような、ボルティモアを不潔にしている張本人の一人だったわけである。トランプは、カミングに向って、さっさとボルティモアに行って、町を綺麗にしたほうが良いと忠告していたが、むしろ娘婿に向って、もっと紳士らしく振舞えと指導したほうがよいのではないか。

(参考)Kushner owns lots of Baltimore-area apartments. Some are infested with mice. WP





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