日本の軍事力を米軍のお役にたてる:トランプへの忖度か

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海上自衛隊の護衛艦いずもが空母に改修されることにともない、その甲板に最初に発着するのは、米軍の戦闘機F35Bになる見込みだと聞いて、小生はいささか吃驚した。いくら同盟国だとは言え、自国の中核的な軍事力を、まず他国の使用に供するという発想が理解できない。これでは日本の軍事力は、アメリカを喜ばすためにあるようなものだ。どうぞ米軍のお役にたててくださいと、へりくだっている印象が伝わって来る。

この方針は、自衛隊幹部だけではなく、政権の中枢の理解も得ているようだ。安倍政権はいま、トランプから発せられる言葉に一喜一憂している。もっともこたえているのは、日米安保の片務性にトランプが不平を述べていることだ。日米安保は、片務的ではなく、日米双方にとってメリットがあるというのが、日本の安倍政権の言い分だが、そんなことはトランプの頭にはない。だから日本としては、何らかのかたちで、日本の軍事力がアメリカのためになっているということを主張したくて、いずもを米軍の用途に差し出したのではないかと、そんなふうに勘繰りたくなるのは小生のみではあるまい。

自衛隊がそもそもマッカーサーの命令で作られたのは、たしかな歴史的事実だが、だからといって、いまだにアメリカの意向を忖度して自衛隊を運用するのは、独立国としてのやり方ではない。ましてや、トランプという異様な人間の意向を忖度するために、日本の軍事力をアメリカのいいように使わせるのでは、日本がアメリカの属国であることを、あらためて世界に向かって披露するようなものだ。

アメリカはいまや、世界中から孤立する傾向を深めている。そんなアメリカに全面的に従属していて、日本の国益にかなうのか。国益という言葉は、特殊な考え方を連想させるようだが、それにしても、日本がアメリカに従属し、アメリカ・ファーストで行動するというのは、国のあり方として乱れているのではないか。安倍政権には、そこのところをよく考えて行動してもらいたい。





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